リチア電器

たまに訪れてはふらっとお話ししていきます。

彼らは「今」をうたう ‐KAT-TUN楽曲の歌詞を抽出・分析してみました‐

 

 

Q.KAT-TUNといえば? A.夜!

みたいなイメージが実は兼ねてから私にはありました、少なからずそう思っている方もきっといらっしゃるんじゃないでしょうか…?だって歌にもいっぱい出てくるし…あれ…?ほんとそんな出てきたっけ…?

 

と、思い立ったが吉日、だったら調べてしまえばいいじゃないか!というわけで今回拙いながらにKAT-TUNの歌詞をデータベース化、語句を抽出、出現回数順に羅列し、感じたことを雑感としてまとめてみました。さて「夜」はどのくらい出てくるのでしょうか…!ちょっと個人的には意外な結果が出てきたかも…!?

 

【集計に際し】

  • 歌詞はサイト「歌ネット」に記載されている表記にのっとり、全222曲から入力
  • 歌の繰り返し部分もそのまま入力(Repeat表記ではない)
  • White X'masはアルバムverを計上
  • ソロ曲も計上する(赤西、田中はKAT-TUN在籍時まで)
  • コンビ曲はKAT-TUN名義とする
  • 動詞は原形にて集計

をルールとし、今回の計上を行いました。

また今回の作業はこちらの記事を参考にさせていただき、

ch.nicovideo.jp 

歌詞のテキストファイル化にはソフトウェア「Lyrics Masrer2」、

文字コードの変換に「文字コード判定&変換ツール.NET」を、

語句を抽出、分析するためにはソフトウェア「KH coder」を使用しました。

 

※今回の結果はあくまで私個人が楽しむために作ったものなので抽出漏れ、カウントミス等々あるかと思いますがご容赦ください。お遊び程度に考えていただけると嬉しいです。(結果を見た段階で私もなんか漏れてる感をひしひしと感じています…)

 

それで前置きが長くなりましたがそろそろ結果に参ります!

 

KAT-TUN楽曲内頻出日本語単語150】(なんだか単語帳みたいですね)

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  ※「君」「僕」「俺」は集計後に漏れが発覚したため後から加えました

 

いかがでしょうか、こちらの結果は皆さんにとって想定の通りでしたでしょうか?それとも意外でしたか?

私としてはなかなか意外で興味深い結果であったと考えています。

 

まずこちらの表内青色は先にTwitterで「この単語は多いんじゃなかろうか?」とフォロワー様方からご意見をいただいた単語、及び私の(勝手な)本命「」です。(以下の色分けとの重複もありますが)

個人的に「夜」はもっと上に行くと思い込んでいたので少しびっくりです、何よりKAT-TUNの歌詞が「夜」<「未来」であることに驚いたのです。あれっ結構明るい単語が上位にいっぱい…!!?

(5/21追記:Twitterやブログに他Gさんの結果が出てきたため拝見したところ、最上位層の単語は比較的類似してくるようです。それを鑑みると「夜」がこの位置というのは特筆すべき事項かもしれません。意外と読みは合っていたのかもしれない…?)

 

ここで他にも気になる点が出てきましたので表内の「時にまつわる」語句を黄色に設定します。

すると上位に時にまつわる単語が非常に多くあるように見えてきます。特に最上位層に「」「明日」「未来」があること、これは私には大変驚きの結果でした。実を言うと時を表す語句ならば「過去」「昨日」とかちょっと後ろ向きな語のほうが多いのではないかと思っていたのです(主にin the darkのせいのような気が)

そして「瞬間」と「永遠」が出現一回違いでランクインしているのも面白い。二律背反でありながら相補的にこの二つが同居しているところがなんとも彼ららしい。

 

正直に述べるとこれはかなりぐっときた結果でした。彼らは未来を、明日を眺めてそして「今」を歌っているのだ、と。そしてその刹那のまたたきが永久に輝きを残すようだと、そんな結果に思われました。

(日本語詞の傾向として「今」というワードは頻出傾向にあるようですが)

 

でもちょっと思ったより明るい結果になっているので(予想外)個人的に「KAT-TUNらしい」んじゃないか…?と思う単語に赤色も付けてみました。

やっぱり!というべきか多かったのは「」と「」でした。ヒカリトカゲ!

また、「世界」「闇」「嘘」「痛み」「運命」「孤独」「夜空」あたりが多い納得でした。さすが厨二的世界観を拗らせているいう評判があるだけあるなあと思います。

 

 【さらに出現20回以上の動詞のみを抽出】

 

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あっちょっと当初の想定っぽい結果だ…!

 

ここでもまた「KAT-TUNっぽい」語には赤色をつけています。

黄色はもう少し明るいイメージが強い語。

「終わる」「消える」や「泣く」「叫ぶ」が多いあたりにちょっとにんまりしてしまいます。さらに「探す」「迷う」あたりにもいつまで彷徨ってるんだ君らは…!という我々の声が聞こえてきそうですね。かめにゃんにみんな彷徨わされるから仕方ないね!(NEVER AGAINの替え歌「彷徨うみんな~」)

「壊す」「壊れる」、「揺れる」「揺らす」は自動詞他動詞で計上が異なりますが、合計するとなかなかの数になるのも注目したいところ。揺れすぎ…!

 

こう見てみるともしかするといわゆる「KAT-TUNっぽい」は動詞に特徴的なのかも…?

 

【さらにさらに英単語も】

 

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※こちらの集計では意味を成さない語は人力ではじいています。

 

こちらも 概ね予想通りといった感じです。

集計方法の綾で「WANNA」「GIVE」などの繰り返してコーラスされる語が上位に見られます。

ちょっと気になったのは「U」「S」「M」かな。「U」はYouの表記違いのやつだろうか…?それにしてもこんなに多かったか…?「SM」もあるとしたら「SADISTIC LOVE」くらいなもんだと思うのだが…?

 

しかしこの接続詞の多さ、さすが英題曲だらけグループといいますか…英語歌詞はほとんど覚えられていません…タイトルでさえたまにごっちゃになる。

 

【共起ネットワーク図】

 

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さらにこのような「共起ネットワーク」図も用意してみました。

 

こちらでは「どの単語が近い位置にあるか(単語間の距離)」「どの単語がどの単語と繋がっているか(間を結ぶ線の太さ)」「どの単語が多く出現するか(円の大きさ)」をみることができます。ある程度グループ化しているものは同じ色に分けられています。

 

ここからもまた「今」という単語が比較的大きな存在感を示していることが伺えます。そしてそれが「信じる」「明日」「自分」という単語に関与していくことも見てとれるかと思います。

「想い」に注目してみるとその接続先は「届く」と「消える」という相反するものであることもわかります。これと同様に対照的な語句が連結している点は他にも「未来」「過去」や「闇」「光る」などに見られます。

 

この対義語の同居がひりつくような焦燥感と焦れるような切なさをいっしょくたにして駆けていくある種の疾走感を彼らの歌の世界に生み出している…のかも…?

 

 これらを鑑みるとKAT-TUNの楽曲には厨二的世界観と力強さが同居しているのではないか…?と考えることができるのではないでしょうか…?元からわかってたよ!という事かもしれませんが、データで見てみてもその傾向がみられるのは非常に面白いです。

 

【番外編①出現回数下位がなにやらすごいことに】

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※相当数あるためインパクトのあるものをピックアップ 

 

これまで出現回数上位についてまとめてきましたが、下位の、それも漢字を含む語句のあたりが何やらすごいことになっていたのでこちらにもフィーチャーしてみます。みているだけでクラクラっとしそうなゴリゴリのワードのオンパレードでした。

「輪廻」って…!「薔薇」って…!「襞」って…!

襞はちょっとぎょっとしました。どうやら「WATER DANCE」の歌詞のようでした。(心の襞~濡らしてゆく~、のとこですね)

 

【番外編②メンバーソロごとに観察してみる】

 

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思っていた以上に 個々人の癖が出たのがこちら!こちらはメンバーのソロ曲ごとに頻出する単語の傾向を調べたものです。以下雑感。本当にざっくり。

 

  • かめ→上位ワードにKAT-TUNでの楽曲との重複が多くみられる。
  • 赤西くん→すべてが英語という結果に。
  • うえだくん →人語じゃない。赤西くん、聖と同じく英語が多いが、AOL、LA(MONSTER NIGHT)などコーラス部分で計上か?(∀)はニートまんのせい。
  • 田口くん→アタックの原因はどう考えてもサムライ☆ラブ☆アタックですね。「夏」「感じる」というワードに甘酸っぱさと爽やかさを感じます。
  • 中丸くん→個人的に一番面白かった結果です。上位に「愛す」「思い出」「気持ち」とこれだけみるとなかなか湿っぽいワードだらけに。実際中丸君のソロは恋愛絡み、特に失恋もの多いもんね…(好きです)

 

【番外編③人数別に比較する】(5/20追記)

当初こちらの記事では触れていなかったのですが(データベース化の際にタグ付けを失敗していたため)やはり、KAT-TUNを語る際に苦しかろうと避けては通れないのが人数編成の話なのではないかと思います。なのでさらに、人数編成が異なる時期で区切り、頻出単語の比較検証も行ってみました。

実はKAT-TUNが5人だった時期には田口くんが怪我の治療で抜けていた時期、赤西くんが留学をしたとき、赤西くんが脱退してしまったとき…など数回あったりもするのですが、今回はざっくりと

  1. 結成から赤西くんが脱退してしまうまでの6人時代(love yourselfまで)→赤ラベル
  2. 赤西くん脱退から聖脱退までの5人時代(Going!からFace to faceまで)→黄ラベル
  3. 聖脱退以降の4人時代(楔~)→青ラベル

で分類し表示します。

 

以下それぞれ頻出単語1~50、51~100、101~150になります。

 

1~50

 

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51~100

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101~150

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思った以上に差異のでた結果となりました…!

 

まず注目したいのが一人称の変遷です。つまるところ、「俺」、「僕」の出現数推移です。

6人時代は圧倒的に「俺」が優勢です、実際頭の中に浮かぶあの頃のフレーズには「俺」と歌うギラついた彼らがいるのではないでしょうか…?3rdアルバムまでは一人称はほとんど「俺」で歌われています。転じて5人時代。「僕」のほうが数を占めるようになりました。6人時代後半から増加してきた傾向にあった延長でしょうか?「俺」も一定数同居しているあたりまさに過渡期といえそうです。さらに時は移り(?)4人時代、「僕」の出現はさらに増加します。そして何より「俺」がほぼ消滅します…!(出現していてもソートにないので4回以下となります)(1度もないようです)

この変化は彼らはこうして大人になっていったということなのでしょうか…あーなんだか切ないような感慨深いような…

(5/21さらに追記:KH coderの機能コンコーダンスにて「俺」、を含む歌詞を検索してみたところRap詞部分が多く見られました。また、4人時代に今のところ「俺」の出現はありませんでした。…一概にそうとは言えませんがKAT-TUNにおける「俺」の一端を聖が背負っていたのかなぁ…)

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また気になるのは5人時代に見られる「信じる」の急上昇です。「信じる」そのものは6,4時代もともにランクインしていますが5人時代では特にその数が多い。これは一回目の脱退直後、多くみられたファン心理を汲んだ*1スローバラード等に含まれていたものと思われます。

 

さらに!これらのワードから曲のスケール感も見えてくるかもしれません…!

「世界」というワードは5,4人時代には上位にランクインしていますが、6人時代では少し位置がずれています。その代わりにか、6人時代では「街」が上位にあります。6人のころには「街」が世界であっがむしゃらに「愛」を叫んでいた彼らはその後には「世界」をうたうようになったというのでしょうか…

 

 

 

 

【ひたすら自担の詞を愛でる】

さて少しシビアな話を書いてしまいましたが、気を取り直して!

メンバーソロごとのをまとめた辺りであれ…うえだくんのソロ少ない…マリアン*2が…ない…ということに気づいてしまった私。(歌ネットには音源化されているソロ+αのみがあります)何を隠そううえだくんには未音源化ソロが大量にあります。

 

…まぁそれもまとめてやるっきゃないよね!!!

 

と、いうわけで以下はうえだくんのソロ曲21曲を対象に分析を行ってみたものです。

こちらも集計に際し

  • MOUSE PEACE2008パンフレット及びMOUSE PEACE2010で配布された歌詞カード表記にのっとり、全20曲から入力
  • 歌の繰り返し部分もそのまま入力(Repeat表記ではない)
  • 「MARIE ANTOINETTE」は英語詞部分のみを入力
  • 「RUNAWAY」「HANSEL and GRETEL」は成文化されている歌詞がないため除外
  • 動詞は原形にて集計

をルールにして集計します。すでに2曲集計できないもどかしさ…!

それでは行きます!

 【ウエダソロ頻出単語150】

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「好き」をこんなに散りばめるうえだくんが私は好きです…!

 

というのはさておき!さておかないんですけど!!

これだけ「好き」が多いのはヤンキー片想い中♡の繰り返しフレーズ「お前が好きだよ」に起因するかと思われます。そっかぁ…これがうえだくんが好きな言葉たち(仮)かぁ…と思いながら眺めると言いようのないトキメキに胸が高鳴りますね…(うえだくんのソロナンバーはその多くが本人作詞です)

KAT-TUN本体に比べると名詞の出現数が多い傾向にあるかと思います。特に「風」「雨」「空」「雪」などの気象系の単語が目立っているかもしれません。結構まんべんなく色々な曲に出てくる印象がありますからね、というのを確かめてみるために曲別のソートも用意しました。

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いかがでしょうか。こう見てみると「雨」「雪」「空」は特定の曲に出現していますが、上位ワード「風」はこの表の中に見当たりません。と、いうことはやはり相当まんべんなくいろんなソロに入っていると考えられるのではないでしょうか?

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では各曲同士のリンクはあるのか?という点を確かめるためまた共起ネットワーク図を作成しました。

サンプルの数が多くはないので曲同士のまとまりがよりはっきり見えています。

 

で!ここで面白いのはどの曲に隣接する点があるのか?というところかと思います。注目したいのはクリーム色の部分、英語と日本語詞が混在するグループです。こちらは主に「ART OF LIFE」「ニートまん」から構成されています。

 

…「ART OF LIFE」と「ニートまん」…?

 

まさかの取り合わせが「All right」というフレーズで接続してしまいました!こんなことってあるのか!マリアンとAOLとDictatorが隣接しているのも(主に私にとって)嬉しい情報です。

 

 

…とまぁこんな感じで今回用意したデータはすべてになります。

すごい大変そうな作業に見えるかもしれませんが、実のところ操作自体は1~2時間弱で完了しています。KH coderさんが本当にすごい。今回はKAT-TUNのみの集計となっているので、絶対評価から色々なことを推測し語っていますが、おそらく他Gさんの結果と比較してみたらまた多角的に違いや類似点が見えてくるのではないかと思います。他のグループも今をうたうのか?夜を駆けるのか?輪廻回っちゃったりするのか?そんな違いを調べることができたら楽しいだろうな~と…!

また自担の頭の中に渦巻いているだろうワードをすくい上げて眺めまわすのは本当にうっとりします…!ぜひ他の担当さんにも遊んでみてほしいです。

今回の結果についての考察はあくまで私の私見であって、まだまだもっとほじくり返せるな~とも感じています。(集計にもあらは多いので…)この結果を受けていやそれは違うだろ!とかそれもそうだね!とかありましたら是非!教えてください!私が楽しいです。

 

この記事を書くにあたりご意見くださったフォロワー様方、記事の引用を許可していただいた砂時計様、本当にどうもありがとうございました!

 

 

*1:ナーバスな時期であったため当時賛否両論が飛び交った記憶があります

*2:2010年の幻のウエダソロ。映像も音源もないことを私が未だに恨んで地縛霊をしている